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2011年9月19日 (月)

劇場のフロントスタッフ。

昨日まで10日間、映画祭会場に通いましたが、

会場のうちいくつかは、普段は映画というよりは、

演劇やコンサートを主に催している劇場を使用してました。

これら劇場のフロントスタッフ(劇場の表周りの業務、

チケットのもぎりや、お客様のフォロー、ご案内、

舞台裏ではなく劇場の制服を着てお客様と接する人たち)に

日本との違いが大きくみられ、イライラすることも多々。

イタリアに来る直前まで、地元の某劇場の中で

フロントスタッフのアルバイトをしていたので、

「うそっ!!??ありえない!!」

というポイントがもう、目に付いて目に付いて。

 
 
 

昨日のこと。

全席自由の上映で、私が劇場に到着したときには、

すでに満員で、客席扉の前でスタッフが入場を制止してました。

チケット売り場前にも購入希望者が溜まり、

「満席だから入れられない、チケットも売るわけにいかない。」

と、なんと腕組み&仁王立ちの女性スタッフが対応。

もちろん「申し訳ありませんが」なんて前置きもなく、

むしろ入場を断られた客のほうが、説明を聞いたあとに

「わかりました。ありがとう。」

なんてお礼を言う始末。

そのうち、どういうわけかチケット売り場の人は席を外し、

無人のチケット売り場前で、事情を知らない購入希望者たちが

集まり、困惑、という状態に。

結局、短編映画が何本も連なって上映される催しだったので

何本か観て退席する人が出るまで、扉前で順番待ちを。

 
 
 

しばらくすると、中で観ていたお客さんが数組、数人退出。

そこで、出てきた人数だけ中に入れる、という作業を

もぎり係が始めました。

当然、上映中の客席内は暗い。

こういう自由席の場合の対応、日本ならば客席担当の係が

空席になった場所を把握し、新たな入場者を誘導するもの。

でも、なぜかもぎり係が退席者に

「あなたどのへんに座ってた?何階?右?左?」

それを新たな入場者に口頭でいちいち伝える、という・・・。

そのうち、退席者が数組続いたところでそれも断念。

その窮地に焦って、制服の首に巻いてたスカーフを外し、

順番待ちをしている私たちお客の前で、スカーフで

パタパタ自分の顔を仰ぎ始め、そわそわしはじめました。

なんともみっともない。

 
 

てっきり客席監視のスタッフはいないのかと思いきや、

扉の内側で、なにもせず、ぼんやり立ってる人1名。

誘導なんて誰も期待してないので、暗闇の中、スクリーンの

明るさを頼りに、みんな自力で空席探してましたけどね。

 

また別の日では、前のスケジュールが押したため、

次の入場者を入り口近くで止めて、前のお客さんの退席を

待つこととなりました。

が、なぜ待たされているのか、全く説明なしで、

とにかくガムを噛んでる制服の係員が両手を広げ通せんぼ。


 
 

それと、とっても太った男性スタッフは、

制服のブレザーの前ボタン前回で、シャツもボタンがはじけそう、

シャツの裾はズボンからはみ出しそうにヨレヨレ。

髪はロン毛でボッサボサ、姿勢も悪い、という、

制服着てなきゃ怪しい人、という感じ。

なんか、一気に気分が曇りました。

 
 

劇場スタッフへの愚痴を言いたい、というよりは

ふと思い出した劇場勤務時代のトレーナーの言葉。

劇場にもホテル同様、格式というものがある。

劇場はホテルのように星の数を付けていないから、

私たちフロントスタッフの質が劇場の格式と判断される。

劇場の顔たる品格を備えた、上質のサービスをしなくては。

と、そんな話だったと思います。



映画祭で訪れた劇場は、建物や催し内容からして、

決して質の低い劇場のつもりではないんだろうと思います。

でも、彼らフロントスタッフを見ていると、がっかりさせられる。

5つ星ホテルだと思って予約したホテルが、

実際泊まったら実は2つ星だった、というようながっかり感。

特に演劇鑑賞なんて、心の贅沢を感じたい時間。

そんながっかりを味あわせていいはずないんです。

お客様にも、主催者にも、演者やスタッフにも、

本当に失礼な話です。


 
 

イタリアの劇場の格式はピンからキリまで。

これらの劇場がそのどのへんに値するのかは知りません。

スカラ座などの名門とは全く違うのでしょうし、

だからといって、それでいいのか??って話です。

演劇に比べ、幾分カジュアルなこの映画祭。

さほど格式の高いサービスは期待しませんが、

最低限の品格とか、気遣いは欲しいものですよね。

なによりスタッフたち自身が居心地悪そうだったし。

日本のサービスの良さと、それが理に適っていることを

つくづく実感したのでした。


 
 

いろんなサービス業をしてきました。

たとえば同じ販売業でも、デパートとスーパーと、

商店街の商店では、同じ対応であっていいわけはないけど、

そのどれをとっても、状況に応じた形で、お客様を

リスペクトして、心地よく、快適に買い物をしていただく、

日本ではそれがどこに行っても感じられます。

サービス業のような仕事は、確かにストレスが溜まる。

だけど、そのストレスをお客にぶつけることは決して無い、

日本のサービスって本当にすばらしい。



 

日本でサービス業に従事している方々、

誇りを持ってその日本のスタイルを守ってほしい。

日本でそのサービスを受ける側の方々は、

それが世界標準ではなく、日本特有のことであり、

そのサービスを受けられる恵まれたひとりである、と、

これまた誇りをもっていただきたいな、と。



イタリアで、愚痴るたびに、逆に日本の良さを感じて

結局は心がほっこりしたりもする私なのでした。

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