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2013年4月30日 (火)

いよいよなんです。

夫が退職してからのこの半月。

なんだかもうあれよあれよと時間が経ち、

あっという間に明日(日付的には今日)、発ちます。

きちんと会ってご挨拶できなかった方々、

大変失礼いたしました。

 
 
 

さて。

引越しのダンボールはすでに今朝、業者さんに

引き取ってもらいました。

家の中、さぞかしガラーンと、と思いきや、

いえいえそうでもありません。

我が家は家具付きの賃貸物件だったので、

家具と、入居時にすでにあった備品などはすべて、

そのままの状態で残していきますからね。

自分が買い足したお気に入りの食器以外は

そのまま食器棚に収まったままだし、

冷蔵庫も洗濯機もテーブルも椅子もベッドもそのまま。

あ、冷蔵庫の中はさすがにガラーン、ですけどね。

 
 

ここの家、なにしろ古い建物なので

あちこち入れ替わり立ち替わりガタがきましたっけね。

キッチンも本当に小さくて、不便だったり。

そんな不満はちょこちょことありましたが、

部屋の広さの割に、収納が大容量なとことか、

場所がとっても便利なこととか、

お隣さんがとても親切な日本人の方だったりとか、

その隣は笑っちゃうほどお節介なイタリア人のおばさんで、

話のネタには尽きないほどのお節介をしてくださったり、

同じアパートには日本食材も売っている商店があって、

当然足繁く通うのでときどきおまけをいただいちゃたり、

他にもすぐ近くに複数のスーパー、それに加えてメルカート、

と立地条件が最高なこととか、

門番さんがとっても感じが良くて優秀で、安心できたこととか。

やっぱりプラスのことのほうが多かったな。

なにより「casa di ringhiera(カーザ・ディ・リンギエラ)」という

タイプの建物だったことが気に入ってました。

 
 
 

リンギエラっていうのは「欄干」とか「手すり」。

カーザ・ディ・リンギエラは「欄干のある家」という意味。

Imgp0412_copy_2
写真は私が今日まで住んできたアパートですが、

須賀敦子さんが同じタイプの建物について

「踊り場のある家」という表現で、こう書いてました。

  

 
(前後略)

これは現在も残っていると思うが、ミラノの下層階級の

人たちがかつて住んだ共同住宅で、一階ごとに、

中庭をぐるりとかこむバルコニー(踊り場)があって、

それぞれの家のドアがそれに向かって開いている。

そのバルコニーの外側には、貧素な手すりがついていて、

それがまた、この建築の安っぽさをものがたっている。

廊下が外にある、といってしまえばそれまでで、

なんということはないのだが、ミラノ人にとっては

「踊り場のある家」と聞いただけで、その手すりにからだを

乗り出すようにして、外を見ている娘たちや、いちめんに

干した洗濯物や、そして中庭に向かって階上から

わめく声などが、錯綜して記憶にもどってくる。

そんな家のことを人々はよく「絵のような」などと表現

するが、だれも自分は住みたくないと思っている。

エンリコが住んだのはそんな建物だった。

これらの家の、もうひとつの特徴は、各戸にお便所が

ないことで、それはバルコニーの隅に、各階にひとつ

あるだけだ。

(「ミラノ霧の風景」須賀敦子著より抜粋)

 
 
 

あ、いまは各戸にバス・トイレがついてますよ。

昔の名残で、バルコニーの端に共同トイレのあった

小部屋は残っていますけどね。

突き当りが共同トイレ跡。現在は倉庫として利用。
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たしかに本当にバルコニーで中庭に向かって

いつもわーわー叫んでるおばちゃんがいるし、

悪く言えば「ド庶民アパート」。

良く言えば「アンティーク」(笑!!)。

ミラノのお洒落アンティークゾーンのナヴィリオ界隈も

このタイプの建物がいい雰囲気出してますしね。

ほら、アーティストに人気あるじゃないですかー。

(と、必死にフォロー・・・。)

 
 

この構造のおかげで、同じアパートの人と

顔を合わせる機会が割と多くて、

名前も国籍も知らないけど顔見知りになって、

ご近所さんとよく挨拶を交わすなどしていました。

住むことをためらう方も実際に多いでしょうし、

あー、やっぱ無理、って思う人もいるかもですが、

私は大好きですよ、住むことができてよかったです。

 
 
 

そんなわけで記念に絵を買いました。
Imgp0605_copy_2
(著作権とかなんかあるのかわかんないので
見づらくしてしまってごめんなさいです。)

 
 

ナヴィリオの、ガイドブックにもよく載ってる、

カーザ・ディ・リンギエラの中にあるこのアトリエのです。

Imgp0596

このアトリエ、大好きでよく寄っていたんです。

本帰国するときには絶対にここで絵を買おう、って

ずっと決めていたんですよね。

この絵のおかげで、帰国後はカーザ・ディ・リンギエラの

良い思い出だけを持って帰れそうな気がします(笑)。



庶民っぽい、長屋のような古アパート。

黄色の壁。

人々の声。

中庭の古い手洗い場。
Imgp0414_copy

少しばかり、名残惜しくも感じますが、

ミラノでの生活で沢山得られたモノを忘れないように、

日本で前へ前へと笑ってすすめるように、と

いまは期待とか、希望とか、そういう気分です。

ミラノでお世話になった皆様方、

仲良くしてくださったお友達の方々、

私のミラノでの暮らしをブログで読んでくださった方々、

ほんとうにありがとうございました。

明日は日本への出発の日でもあり、

新しい人生の出発の日だと思っています。

どんな人生を切り開くか、ゆっくり空の上で考えつつ、

日本に向かうつもりです。



 

あ。

しめくくるような書き方しましたけど、

このブログは帰国後も、もうちょっと続けます。

ほら、旅のこととか書きたいし。

出発までなにが起こるかわからないイタリアですしね。

Imgp0638
(ミラノ市内で見かけた、謎のバイバイビル)

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コメント

いよいよですね。(ノ_-。)
素敵なイタリア生活、お気に入りの家で良かった!
住んだ家やご近所さんへの愛情が伝わって来たよー。

新生活、応援しています。
またご報告待ってるよっ。

Buon viaggio e buon proseguimento!!!happy01

投稿: batanosuke | 2013年4月30日 (火) 19時40分

えええ またまた久しぶりに覗いてみたらまさかの本帰国とは・・・
たまに覗かせていただいてはまとめ読みして住んでいる私も知らないミラノのことをほうほう、と感心して読ませていただいておりました。
年もわりと近いようでいつかお会いできたら…と
ほんのりと思っておりましたので残念ですweep

日本での新生活も楽しいものになりますように!

投稿: marino | 2013年5月 1日 (水) 00時00分

>batanosukeさん
ありがとうー!
おかげさまで無事、日本の家に到着しました!
イタリア生活で身につけたこと、学んだこと、本当に貴重な経験だったなあ、と改めて感じます。それを自分の長所にできるといいなあ、と。
batanosukeさん、ブログ通じてけっこう長いおつきあいになりますよね。
またbatanosukeさんもどこかでブログなど発信するときはぜひぜひ教えていただけたらなあ、と切に願ってます~。
いい報告ができますように、いいご報告を聞けますように。

投稿: masami | 2013年5月 1日 (水) 18時41分

>marinoさん
ありがとうございます。
呑気にしてて、直前にバタバタ、となってしまったため、
友人らの中にも告知いまだにし終わっていない、という感じなんです~。ああー、反省。
イタリアの生活は自分にとても合ってたし、気に入ってましたが、そんな自分なりのペースを母国日本でも築けたらなあ、とこれからの生活づくりを楽しんでいきたいと思ってます。
marinoさんのミラノ生活がこれからも充実したものになりますように。

投稿: masami | 2013年5月 1日 (水) 18時46分

ミラノがまた寂しくなります…。
新たに始まる日本生活も
引き続き120%笑い飛ばしちゃってください。
いつも元気づけられてました、
ありがとうございました。

投稿: ロッサ | 2013年5月 5日 (日) 18時16分

>ロッサさん
事前にメールでお知らせしなきゃと思いつつ、
半月前からバタバタしまくりでちゃんと連絡できず、
気づけばすでに日本、て具合ですみませんでした。
こちらこそいつもお世話になり、ありがとうございました。
引き続き、日本でも面白いコトやモノをみつけるべく、
アンテナ張っていこうと思いますww

投稿: masami | 2013年5月 6日 (月) 06時45分

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